業務マニュアルの作成方法がわからない?
ご安心ください。
ポイントさえ押さえればだれでも簡単にマニュアルは作れます。
さて、マニュアルが必要な時というのはどんな状況でしょうか?
一つ、その業務を知らないものが業務にあたる時。
二つ、その業務の内容を再度確認したい時。
どちらも共通して言えることは、対応する業務でわからない事がある時にマニュアルを確認しているという事です。
言い換えれば、マニュアルを必要としている時は、業務についてわからない事がある人が読んでいるという点です。
つまり、マニュアルには業務遂行に必要な物や事が網羅されている必要があります。
ですが…マニュアル自体は、その業務を十分に知っている人にとっては不必要な物です。
正直あっても無くても良いと思うでしょう。
そして自分が作成する必要が出てきた時には、自身に与えられた業務時間外で作る事がほとんど…。
その為、なんで私が作らないといけないのか…と思う人も多いのではないでしょうか。
しかし上司に振られたからには作らないわけにもいきません。
時には休憩時間を削って…。
時には少し残業をして…。
時には業務合間になんとなく進めて…。
そうしてなんとか出来上がりはしたものの…。
結果どうなるかといえば、とりあえず最低限わかればいいだろうという「残念マニュアル」が作成されてしまう事が多々あります。
ですが、こういったマニュアルは役に立ちません。
「いやいやでもさ、業務合間に頑張って作ったんだから多少かいつまんで書いたとしても察してよ」という気持ちがあるかもしれません。
ですがそんなマニュアルはNGです。
先に申し上げた通り、マニュアルを読む人は誰なのか。
それは、業務を理解していない人です。
業務を覚え始めの人や、業務の内容を完全に理解していない人が、その不完全なマニュアルを読めばどうなるか…。
仕方ない!わかる人に聞こう!
一点お聞きしたいのですが…
ここがわからないので教えて頂いてもよろしいですか?
…え、マニュアル書いて無かったっけ…?💦
…と誰かに尋ねる事になり、聞かれる対象がマニュアル作成した自身であった場合には、作成に費やした時間が完全に無駄になります。
折角隙間時間であくせく作ったマニュアルも時間も無駄に終わってしまったら残念極まりないですよね…?
そんな残念な事にならないようにしたいところ。
でもそんなマニュアルなんて簡単に作れないよ?
ご安心ください。
今回は作る側が簡単にできて失敗しない、そんなマニュアルを作りを作ってみました。
それではご参照ください。
誰でもできる業務マニュアルの作り方
マニュアル作りに必要な事は「どれだけ詳細を伝えられるか」です。
かといって、時間的にも労力的にもイレギュラーも含めた全てを詰め込むのは難しいです…。
完全なマニュアルを作るには「新人が入ってくるからマニュアル作っておけない?」といった要望を受けてから、仕事の片手間で作る。
そんな状況でのマニュアル作成時間では到底無理です。
今手元にある業務を一旦別の方に振り分けてもらい、マニュアルを作る専用の仕事時間をきっちり頂いて、長い時間をかけなければ作れません。
ですがそんな時間は当然もらえません。
しかしとにかくマニュアルを作らないといけない場面で、読みさえすればわかるものを作るにはどうすればよいか。
簡単に作成する手順を見ていきましょう。
マニュアル作りの手順
その業務のにはどんな手順が必要かをまとめます。
各業務手順ごとに何が必要かをまとめます。
実際にする作業内容を書き込んでいきます。
文字だけでは伝わらないので、絵や図も使っていきましょう。
実際に何をするか思い浮かべながら、補足する内容をまとめます。
誤字などがないか文字をまとめていきます。
更に図や絵を必要だと感じるところに追加挿入していきます。
必要な手順が抜けていないかもう一度確認します。
もう一度必要な情報が無いかを確認しましょう。
最後にマニュアルに書いてある通りに仕事を進めてみましょう。
不備があればここで気が付く事が出来ます。
気が付いた不備があれば書き加えましょう。
上記の手順で作成していけば、まともなマニュアルを作成する事が出来ます。
文字だけではわかりにくいですので、今回は「発注書の作成」を例にとってマニュアルを作っていきます。
それでは作っていきましょう。
※この架空のマニュアル作成には執筆を含めておおよそ5時間ほどを見込んでいます。
目次を作りながらマニュアル内容をまとめる
内容をまとめる為に、目次を作っていきましょう。
業務マニュアル No.001 【発注書の作り方】 |
◆目次 P.1・発注書とはなにか P.2・発注書の作成に必要な物 P.3・発注書作成手順 P.4・発注書の送付方法 P.5・発注書の保管方法 P.5・発注書の破棄 P.6・補足 |
目次の手順通りに内容を作る
基本的には文字ベースで作成していきますが、図や絵を加えていく事でわかりやすくなります。
業務マニュアル No.001 【発注書の作り方】 |
P.1 【発注書とはなにか?】 発注書とは、何か仕事を外注する等に発注先に対して送付する【仕事の注文書】の事です。 仕事をお願いする際に、他社へ送付する大切な書類ですので、不備の無いよう気をつけましょう。 発注書の作成手順ですが、例えば 「当社系列店舗で使用するポスターのデザインを他社に作成してもらう」 この際の手順は… 1・営業担当者が他社へポスター作製の依頼をかける。 2・依頼を受けてくれた他社とデザインや料金など詳細の打ち合わせを行う。 3・詳細がまとまったら発注先から見積もりを出してもらう。 4・見積もりから営業事務が社内で稟議書を作成し稟議を行う。 5・稟議がおりたら担当事務が貰っていた見積書を参照して発注書を作成する。 6・発注書を作成したら印刷し各長の査閲承認の後に会社押印を貰う。 7・押印が終わったら発注先へ送付する。 …といった手順で発注書を作成し送付します。 今回発注書を作るのは【手順5】の部分です。 稟議が下りたら発注書を作成していきましょう。 尚、稟議が降りたかどうかはメールで届きますが、稟議番号参照表でも確認します。 稟議終了したかはメールと併せてこのファイルを随時確認をしてください。 ※肝心の発注書とはどういった内容かというと… ・弊社から貴社へ見積もりいただいた詳細で発注をかける事になりました。 ・支払額はいくらです。 …という事が書いてまとめられているものです。 社外へ仕事を依頼する際は、最終的にこの発注書を作成し、各社へ送付する事で締結します。 社内と社外を結ぶ大事な業務ですので、不備なくよく確認して作りましょう。 |
業務マニュアル No.001 【発注書の作り方】 |
P.2 【発注書の作成に必要な物】 発注書作成の際に必要なものは下記の通りです。 ・発注書作成に必要なもの ◆発注書原本(データ) ※☆保存先:G¥発注書関連→年度別フォルダ→月別フォルダ¥発注書原本.xlsx ※原本データをコピーして作ります。 ※原本のデータは変更しないで下さい。 ◆見積書 ☆保存先:G¥見積書関連→各年度別フォルダ→取引先別フォルダ→各ファイル ※見積書は受け取った際に見積もりNoと会社名でデータ化し保存されている ※対象ファイルは稟議書作成ツール「RinRin」の見積番号参照して開く ※見当たらない場合は稟議書の起案者に尋ねる事 ・稟議が終了しているかの確認には下記データから確認する。 ◆稟議番号一覧表 ☆保存先:G¥稟議番号一覧表→各年度のファイルを開く ※稟議終了の欄にチェックがされているかを確認 ※このファイルから見積番号を参照する事もある 又は ◆稟議書(データ) ☆メールで稟議終了の通知が来ている場合は、稟議書作成ツール「RinRin」内で 稟議番号が割り振られているか確認し、発注書作成する。 ※稟議データ自体は各営業事務の担当が作成しています ・その他必要に応じて作るもの ◆郵送の際は送付状 ☆保存先:G¥送付状原本 ※原本データをコピーして作ります。 ※原本のデータは変更しないで下さい。 |
業務マニュアル No.001 【発注書の作り方】 |
P.3 【発注書の作成手順】 ①:発注書原本のデータをコピーします ※原本保存先:G¥発注書関連→年度別フォルダ→月別フォルダ¥発注書原本.xlsx ②:コピーしたデータのファイル名を書き換えます(例:2214-モジ社 ※【発注No.】-【発注先】) ※発注No.は◆稟議番号一覧表か「RinRin」データ上でも参照できます ※稟議番号一覧表保存先:G¥稟議番号一覧表→各年度のファイルを開く ※書き換えた発注書ファイルの保存先は原本と同じフォルダに保存します ③:ファイルを開き、「見積書の内容に沿って」画像赤枠内の内容を書き換えます。 ④内容を確認し、間違いが無ければ見積書と発注書を印刷し 発注書の「担当」に自分の印鑑を押します。 ⑤二つのファイルをバインダーでまとめて、査閲の欄に課長から押印を貰います。 ⑥続いて承認の欄に部長から押印を貰います。 ⑦承認まで押印を頂いたら、発注書上部に総務部から会社員の押印を貰います。 ⑧全ての押印が揃ったら、発注先へ送付します。 |
業務マニュアル No.001 【発注書の作り方】 |
P.4 【発注書の送付方法】 ◆メールで送る場合 ①:基本的にはメールで発注書を送付します。 ※メール操作方法は基本マニュアル「PC操作編」の「メールの送り方」を参照してください。 ※基本マニュアル保存先G¥マニュアル¥基本マニュアル¥PC操作編.xlsx→メール送り方タブ ◆郵送の場合 ①:郵送の場合は総務部へ青いレターパックを送付会社分貰います。 ②:ラベルシールを貼り付け、下部のシールへ投函日などを記入し剥がします。 ③:剥がしたシールは年度別送付ラベル保管ファイル(保管場所:書類棚A)へ貼り付けて下さい。 ④:ポストへ投函します。 |
業務マニュアル No.001 【発注書の作り方】 |
P.5 【紙の発注書の保管方法】 ①:押印の済んだ発注書は「書類棚B」の年度別発注書(送付済み)のファイルへ保管します。 【紙の発注書の破棄】 ①:発注書は「3ヶ月保存」し、過ぎたものはなるべく月の初め5日までにシュレッダーします。 |
業務マニュアル No.001 【発注書の作り方】 |
P.6 【補足】 ・課長部長不在の際、査閲承認の押印は各主任に確認する事。 ・発注書作成時、見積書に不備があった場合、稟議書で起案者の名前を確認し、起案者へ確認する事。 マニュアル作成 2024年1月20日 最終修正日 2024年1月25日 |
もう一度見返す
ここまで作成が終わったら、一度マニュアルを見返します。
その際実際にマニュアル通りに仕事をし、記入抜けがないかを確認しましょう。
今回「メールの送り方」と「送付状の記載」が抜けており、若干内容に修正が必要でしたので、送付状の記載等を追加します。
業務マニュアル No.001 【発注書の作り方】 |
P.4 【発注書の送付方法】 ◆メールで送る場合 ①:基本的にはメールで発注書を送付します。 ※メール操作方法は基本マニュアル「PC操作編」の「メールの送り方」を参照してください。 ※基本マニュアル保存先G¥マニュアル¥基本マニュアル¥PC操作編.xlsx→メール送り方タブ ②:押印が終わった書類をスキャンし、パソコン内に取り込みます。 ③:取り込んだデータをメールで送信します。 ※宛先に発注先、CCには起案者の担当部署アドレスを入れて送信して下さい。 ※起案者の担当部署は稟議番号一覧表で確認できます。 ◆郵送の場合 ①:送付状を作成する ☆保存先:G¥送付状原本 ※原本データをコピーして作ります。 ※原本のデータは変更しないで下さい。 ②:必要に応じて送付状は画像の赤枠内を書き換えます。 ④:できたデータを印刷しクリアファイルに入れます。 ⑤:総務部で青いレターパックを送付会社分貰います。 ⑥:レターパックに品名を書き、送付状と発注書の入ったクリアファイルを入れ、封をします。 ⑥:送り主に当社のラベルシールと、送り先に発送先のラベルシールを貼り付けます。 ※ラベルシールは書類棚Aに保管されています。 ※ラベルシールが残り一枚になったら追加印刷します。 ※印刷方法は「ラベルシール印刷マニュアル」を参照してください。 ⑦:下部にある緑色のシールへ投函日などを記入し剥がします。 ⑧:剥がした緑色のシールは年度別送付ラベル保管ファイル(保管場所:書類棚A)へ貼り付けて下さい。 ⑨:ポストへ投函します。 |
これで修正が終わりました。
マニュアルの完成です。
誰でもマニュアルが作成できるポイントとは?
冒頭でも上げましたが基本的にマニュアルを作成するにはポイントがあります。
そしてポイントさえ押さえておけば、誰でも作ることが出来ます。
それではおさらいしていきましょう。
- ・その仕事に必要な事を箇条書きする
-
仕事に必要な内容をすべて書き出します。
- ・箇条書きした内容を対応すべき順番に並べる
-
内容に番号を振って並べ替えます。
- ・順番に沿って目次を作る
-
これで最初のページが出来ます。
- ・目次に沿ってページを作り内容を書いていく
-
マニュアルの大まかな形が出来上がります。
- ・内容を見返す
-
不備がないかを確認します。
不備があれば書き足します。
- ・出来上がった内容で仕事をこなしてみる
-
これにより足りない部分が無いかの最終確認が出来ます。
不備があれば書き足します。
作成手順とポイントはこれだけです!
思ったよりも簡単ではないでしょうか?
この手順に沿って行えば、誰でもマニュアルが作成できます。
急にマニュアル作成振られた…
マニュアル作るの苦手だな…
作るって言われてもどうやればいいんだろうか…
そんな方は、是非参考にしつつマニュアルを作成してみて下さい。
そして読んだのに業務内容の記載に不備があるマニュアルから、永遠におさらばしましょう。
\あわせて読みたい/