漫画家、水上悟志先生をご存じでしょうか?
アニメ化作品
「プラネット・ウィズ」
そして完結から12年後ファン待望のアニメ化された「惑星のさみだれ」
アニメを欠かさずチェックする方には、どちらかは知っている方もいらっしゃるでしょう。
先生の作品の魅力は、何と言っても圧倒的構成力と磨き上げられたキャラクター。
読んでいくうちにキャラクターに共感し、引き込まれる人も多いのではないでしょうか?
筆者も話の展開や登場人物の心の内に心奪われた一人です。
そんな魅力的な水上悟志先生の作品をご紹介。
ただし長くなるのでいくつかに分けてご案内しますね。
今回は短編集編その①。
それでは見ていきましょう。
短編集紹介その①
水上悟志短編集Vol.1【げこげこ】
(ヤングキングコミックス)
げこげこ
ある日突然カエルになった彼氏テツマキとその彼女、人間ななみの同棲生活を描いた作品。
二人の同棲生活は悩みがある。
カエルと人間の生活では、当然の事だろう。
このままではいけないと、テツマキの下した決断は…。
★すべての始まりとなっているといわれた作品
弥一郎
小井戸景子は多重人格だ。
弥一郎という副人格を持っている。
破天荒な性格の弥一郎のせいで、景子の生活はめちゃくちゃ。
ある日ついに不満が爆発した景子は…!?
★先生お得意の超能力作品第一弾。デビュー作なので、原点とも言える。
伝説の男
山中は伝説の男である。
禿げた頭にスーツ姿。
平均的な50代に見えるその姿で、異世界の勇者として召喚された。
召喚されたからには即座に事件解決!
しかし山中には不満があった…!
★先生が書いた記憶が無い作品。尚、山中は過去書いたキャラの中で最強を謳っている。
除霊師
マンションの一室、腹から血を流した男は自身の最後を悟った。
そこに現れたのは、眼鏡の地味な女。
彼女は除霊師を名乗り、特殊な文字の書かれた札を取り出すと、そこには…!
★正義の味方とは、子供の夢とはを問いかける作品。
読書の時間
毎日電車の中、ふと横を見ると同じ場所で同じ文庫本を読む女性が。
何を読むのか気になって覗いていると…。
ある日からその文庫の事が気になって仕方なくなってしまう。
そして、こっそりと覗き見る事が日課となったのだ。
★ふとしたきっかけで、何か大事な事を思い出す作品。
怪人夏伍朗
世は魔法少女の世界。
マジカル・マリーによって怪人は討伐される運命にあった。
ヒロシが小学校に行く前にみたニュースでは、確認が取れただけで既に50人もの怪人がその命を奪われている。
そんなある日、行き倒れの怪人「夏伍朗」と出会う。
彼は妥当マジカルマリーを掲げて特訓しているが…!
★初のマジカルマリー登場作。笑顔で振り回す鉄球も、相方のチロも怖い。
High Jump Rabbit
飲みすぎの頭で起きた朝。
鏡を見ると頭の上には…ウサギ!?
道に迷った老人を、親切に助けたお礼にと、頭に刺されたものである。
どうやっても抜けないそれを取るために、助けた老人を探しに行くが…。
★これからを考えるための作品。尚、伝説の勇者山中さんの後日談も垣間見れる話。
鋼鉄神将オメガフロッグ
数百年に一度謎のパワーによって山の生物が巨大化し、人を襲う!
それを防ぐためには古代兵器を操って戦うのだ!
その使命を帯びたのは冬子!
平凡な女子高生!!
ボケたおじいちゃんに目もくれず学校へと向かう冬子!
そこに現れたのは…!!
戦え冬子!
たとえ友人を無くしても!!
★とにかくテンションが凄い。ついていこうと思わない方が笑える作品。
龍と少女と百鬼町
人外が跋扈する街百鬼町。
人と人外を取り持つ、拝み屋の家に生まれた「ひので」はこの町が嫌いだった。
ある日学校の帰り、進路についた悩みながら帰っていると、交差点の向こうに美少女が…。
そのままこちらへ渡ってくると、そこへ居眠り運転のダンプが…!
思わず助けに入るひのでであったが…!?
★後で紹介する戦国妖狐ファンなら泣いてしまうかもしれないでしょう。
また、散人左道と同じ世界のおはなし。
げこげこ(後夜祭)
その後テツマキがどうなったかと、ななみの再開のお話。
★彼らの結末は…?
【げこげこ】には原点となる作品が多い
後の世界観に登場するキャラクターが数多く登場します。
その為、すべての作品がどこかで繋がっていることが考察されます。
一つ一つの作品との繋がりを考えれば、先生のファンにはたまらないでしょう。
尚、シリアスとハイテンションの差が凄い一冊です。
水上悟志短編集Vol.2【ぴよぴよ】
(ヤングキングコミックス)
ぴよぴよ①~③
ある日娘が露店でヒヨコを買ってきた。
母親がなかなか帰れない家庭で寂しかったのだろう。
かくいう自分も寂しい。
そこでヒヨコを買う事を許可したのだが…。
三年後───
あの時のヒヨコ、源八郎はすっかり大きくなっていた。
★異様なでかさのヒヨコ源八郎が織りなすシュールな家庭物語。
果たして源八郎は本当に鳥なのか…いや、家族です。
魔界斬妖剣ドキドキ地獄変
不知火一重は優等生!
それでいて気立ても良くてスタイルも良い!
だが彼女はいつも兜をかぶり、素顔を見たものは…誰もいなかった…。
そんな一重に告白された碓氷(うすい)は、一重の素顔を探るが…。
★お幸せに。そうとしか言いようがない作品。
おバカだなぁ(誉め言葉)
がんばってちゃんとやめよーぜ
今日もぼくの心の中には「妖精がんばってちゃん」と「妖怪やめよーぜ」が言い争っている。
だが小さいがんばってちゃんが体の大きいやめよーぜに敵うわけがないのだ。
こうして日々は続いていく。
どうせ僕は世界の脇役なんだからと
人生をラクにやっていくのだ。
★そんな自堕落な主人公の水島が、少しだけ大人になる話。
えらぶみち
今日は2月14日。
そして自分にとっては3回目の2月14日だ。
夢の内容まで一緒。
そして仕事内容まで一緒…。
もしまた今日同じ夢を見たのなら…夢の中にいるあの子に、声をかけてみよう。
★何を選ぶかはわかっていても、踏み出す一歩が難しい。
日常から変わるため、進むためには何が必要なのか。
サンダーガールと百鬼町
ここは人外が人と暮らす百鬼町。
そこには一人の少女、退魔師サンダーガール雷堂きららがいた。
ある日道に大きな岩が現れ、きららはそれをどかそうと奮闘するが…?
★子供はいつの間にか大人になる。
少し甘酸っぱい青春のお話。
風穴頭と百鬼町
人外こと「おとなりさん」。
彼らを襲う者がいる。
退魔師。
頭に風穴があいた人外は、自身が何かをした覚えもないのに追われていた。
やがて逃げ込んだ先は百鬼町。
彼の頭を埋める物は果たして見つかるのか…?
★何事も視点を変えれば解決するかもしれない。
各作品に連なる家名が続々と
げこげこもそうでしたが、各作品のその後になるような話がたくさん出て来ます。
そしてタイトル作のぴよぴよ。
シュールの中に意外な感動が待っている良作です。
これだけでも読むべし。
水上悟志短編集Vol.3【宇宙大帝ギンガサンダーの冒険】
(ヤングキングコミックス)
超疾走全霊兵器己の拳!!
人類のすべてを今背負い…!
天馬は駆ける…!
宇宙大帝ギンガサンダーを打ち倒す為に…!!!
我々の全てをお前に託した…!
行け!
天馬よ!!
★魂の叫びが宇宙へと木霊する…!!!真の男とは…!!
…いやなんだこの作品???
最初はそう思っていた…。
わにあに
ある日からゆっくりと、兄がワニになっていった。
気が付けば今は完全にワニである。
ワニと共に生き、ワニと共に暮らす黒古田家の日常を描く。
★家族愛には様々な形がある…。
そしてそれは、誰にも止められないのだ。
シャンバラのお絵描きネル
スペースコロニーシャンバラには不思議な絵を描く女の子がいました。
彼女の名はネル。
彼女はいつか地球を描きたいと思っていた。
絵が好き。
地球には無限に続く青い「空」があるという。
永遠の空にはどんな生き物が映るのだろうか。
彼女は夢見て止まない。
★本当に見るべきものは何なのか?
その問いかけの先にある答えは…。
恋の鈴なる百鬼町
幼いころから、私の頭には不思議な鐘がついていた。
私以外には見えないし、なった事も無い。
彼に出会うその日までは…。
そしてその人をもう一度見た時、もう一度鐘は鳴った。
それはまるで、大当たりのファンファーレの様だった。
★多分元ネタは「あの鐘を鳴らすのはあなた」。
生誕祭
実験体882号は街を彷徨っていた。
そして彼女は見つける。
交通事故で生霊となった男の子を。
彼女はおもむろに玩具のようなものを取り出し、その中に生霊を取り込ませた。
生霊と肉体を取り込み、成長するのは…。
ギンガサンダー。
彼は彼女の家族が経営していたおもちゃメーカーの作品だった。
そして彼はすべてを取り込んでゆく。
際限なく。
無限に………。
★まさかのギンガサンダーの裏話。
彼に会ったのは壮絶な過去。
悲惨な運命。
滅んだ星の物語。
彼の旅が終わる
「己の拳」を喰らい、倒れるギンガサンダー。
彼が吐き出したものの中には、行方不明だったコロニー、シャンバラもあった。
住人の安否が心配される中、シャンバラの精霊テツマキから住人は全員生存していると通信が入る。
驚く科学者たち。
その後連合軍とギンガサンダーの戦いは佳境を迎える。
抵抗虚しく撃退されていく連合軍。
しかしその時、宇宙空間に突如として龍が現れ、ギンガサンダーをどこか遠くへと飛ばしたのだった。
ギンガサンダーの飛んだ先には…。
★また出てきたギンガサンダー。
永遠に続くかと思われた物語は、遂に終わりが…。
砂の惑星の民
トライガンアンソロジー作品。
ワムズの長たるものと、そのワムズの長に育てられた天使。
ワムズを研究する人の科学者の物語。
人は滅ぶべきなのか、それとも…。
★トライガンファンに捧げる作品。
短いながらも各種族の見解を交えた物語。
惑星のさみだれ外伝
さみだれ世界の後日談。
説明いれますとさみだれのネタバレになるので割愛します。
ただし、さみだれファンには、その後日談として是非見てほしい作品。
ほら、彼は笑ってるよ。
一人の大人として。
まとめ
長編に比べると内容は薄い。
また、外伝話などが多いので、まずは長編を読むことをオススメ。
しかし水上先生ならではの世界観にまず触れてみたい方は読んでみましょう。
げこげこ・ぴよぴよなどは巻内で完結しますので、先に読んでも何ら問題ないです。
しかし他作品の外伝話なども掲載されているので、出来れば長編から読むべき作品掲載があります。
その点は注意が必要ですね。
しかしどの作品もキャラが濃い…。
特にマジカルマリーは色々な作品に登場しますが特に濃い…。
というか怖い…無邪気って怖い…。
各作品との繋がりもいみられますので、長編を読んだ方は是非一読をオススメします。
さて今回は短編集Vol.1~3を紹介しました。
まだお読みでない方は、是非ご一読くださいね。
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